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ぬいぐるみ神社お守り会 会長 堀口こみちは、
幼き頃より、ぬいぐるみをはじめ、木々や草花、小鳥や虫たち──
あらゆる存在に、いのちのぬくもりを感じながら育ってまいりました。

その想いのままに、
ぬいぐるみを“もの”ではなく、心宿る大切ないのちとして向き合う
「ぬいぐるみ病院」を創立。

以来、2万6000人を超える、魂宿るぬいぐるみさんたちと向き合い、
そのお声に耳を澄ませながら、
ご家族の皆さまのお気持ちに寄り添い、ともに歩んでまいりました。

そんな中、余命宣告を受けたご家族より、
「大切なぬいぐるみを残して旅立つことが心配です」
というご相談をいただきました。

葬儀場へ尋ねると、大きさや素材によっては、同じお棺に入ることが難しい場合もあるとのことでした。

私たちに、何かお役に立てることはないのだろうか。
たとえ違う場所から旅立ったとしても、
またいつか、お空で再び一緒に過ごすことができたなら──

そのような想いから、
お人形供養に執りおこなっておられる、京都東山 志の聖地・霊明神社さまへご相談を重ねておりました。
ちょうどその頃、大学の先生より、
「ぬいぐるみ病院の取り組みには、日本の心が詰まっている」
とのお言葉をいただきました。

当初は、その意味をすぐに理解することができませんでした。
しかし、人形や針にも命が宿るものとして感謝と供養を重ねてきた、日本古来の文化とつながっている営みなのだと気づかせていただきました。

このお言葉をきっかけに、
日本の精神や文化に深く関心を抱くようになりました。

武道や伝統文化の学びに触れる中で、
「日本のために、地球のために、後の世のために、
自分にできることは何か」
と、問い続けるようになりました。

そのような祈りの中で出会ったのが、
京都・南丹市美山町田歌のお山でした。
そこには、四百年近く続く「田歌の祇園さん」というお祭りがあり、
日本の美しい営みが、今も静かに息づいていました。

このような素晴らしい場所で、
木々や草花、虫や鳥、動物たちがやさしく暮らせる森を育てていきたい──
そのような想いを抱いていたところ、お山の近くの田歌舎さまと
美山、田歌の地域のみなさまのあたたかいお力添えをいただき、
お山のお世話係をさせていただくこととなりました。

実は、当初、神社を創建する考えはございませんでした。
ただ、山の頂に立つ大きなもみの木に、
感謝の気持ちを込めて、小さな祠をお祀りできればと考えておりました。

そのような折、霊明神社さまより、
「行き先を探しているお社があるそうです」
とのご連絡をいただきました。
拝見したそのお社は、
想像をはるかに超える、立派なお姿でございました。

そのとき、何か不思議なご縁を感じ、
もしかすると、このお山でお祀りするご縁をいただいたのかもしれない──
そのような喜びが、静かに心に広がりました。

同時に、自分のような未熟な者が、
このような神聖な神事に関わらせていただいてよいものかという、
畏れの気持ちも深く感じておりました。

しかし、
「お社にお屋根をかけてさしあげたい」
──のちの御本殿に。

「拝殿も整えさせていただけたら」
「鳥居も……手水舎もあると、喜んでいただけるのではないか」
そのような、ひとつひとつの想いが沸き上がり、そして、森の近くのみなさまからの大きなお支えをいただく幸運も重なり、 自然の流れの中で、少しずつ整ってまいりました。

はじめから計画していたものではなく、
祈りとご縁が重なり、導かれるようにして生まれた神社。
それが、ぬいぐるみ神社のはじまりなのではないかと感じております。

今もなお、その歩みに対しては畏れ多く、
ただ感謝の思いを抱くばかりでございます。

そのような歩みの中で、
霊明神社の宮司さまより、
「このご縁は、人が結んだものではなく、神様が結んでくださったご縁でしょう」
とのお言葉をいただき、ありがたく
尊き御神霊の御分霊(わけみたま)をお遷し申し上げるご縁を賜りました。

歴史ある神社様にも、それぞれに始まりがあったこと。
神社創建を志された全国のご先祖様たちのお気持ちに思いを寄せながら、
この小さな歩みもまた、いつの日か物語となり、
やがて歴史へとつながっていくことを願っております。

これからも、日々のささやかな出来事ひとつひとつに感謝を重ね、
美山田歌の実る稲穂のように、常に謙虚にこうべを垂れながら、
神様と自然への感謝を忘れず、随神の道を歩んでまいりたいと存じます。

ぬいぐるみ神社お守り会 会長 堀口こみち